「須崎市での起業は、サラリーマン時代から青写真はできていました。」
兵庫県淡路島出身の嶋崎さんは、広島の自動車メーカーでサラリーマン時代を過ごし、その後、父親の実家がある須崎市浦ノ内に2010年移住。
ここで、“葉にんにくのぬた”の商品開発に奔走しています。

年に1、2回程度、祖父母を訪ねて帰省していた場所、それが須崎市浦ノ内でした。ある時食べた高知県独特の葉にんにくのぬたに、衝撃的なおいしさ感じ、これを県外にも広めたいと考えるようになりました。
ここ須崎で起業しようと奔走し始めたのは2008年のこと。当時、まだ自動車メーカーに勤めている頃から、葉にんにくの苗を取り寄せてみたり、室戸から足摺まで網目状に生産者を探し回ったり、試験的に栽培を始めることに。
その後2012年にEarth Aid(アースエイド)を創業、2013年に法人化をし、2014年には“ぬた”の製造販売を開始しました。
もっと早く立ち上げようと考えていた会社。しかしながらそこには田舎独特のインターネットのインフラ整備の遅れが問題になりました。当時、浦ノ内はインターネット回線や携帯電話の通信環境が遅れており、2012年にケーブルテレビが市内全域カバーされたことからインターネットが開通し、これを機に起業した嶋崎さん。
「当時は、県庁まで行って、インターネット環境の悪さや早期の情報インフラの整備を訴えてきましたよ。これから若者が田舎で仕事したいって思っても、ネット環境がなければUターンもIターンも見込めないんじゃないですかって。」
2008年から訴え続けたインフラが整備されたのはなんと4年後。
「なんでこんなに(時間が)かかるんだって思いました。(笑)ネット環境がないと起業が出来ないと思っていましたから、もっと早くインフラが整備されていれば、起業も早かったんじゃないかなと思いますよ。」
しかしながら、このインフラ整備までの数年間も無駄にしないように耕作放棄地を探したり、専門機関に行き最新の農業技術や加工技術を研究したりと、嶋崎さんに余念はありませんでした。
「いろんな栽培方法を見たり学んだりして、人が健康に暮らせる本質ってやっぱり“土”だなと思い、耕作放棄地を使って有機での葉にんにく栽培を始めることにしたんです。」
荒れた耕作放棄地の草刈りからの畑作り、何もかもが初めての農業でした。
「耕作放棄地の草刈りをして、さぁここからどう耕そうかと畑でぼーっとしていると、近所の知り合いがトラクターに乗って来てくれたんです。畑の草を刈るにも、耕すにも、1人では出来なかったですね。まわりの農家さんに助けてもらいました。土地もトラクターも農具も借り物で、加工場の資材も貰いものを利用しています。」

 多くの人に支えられてここまで来られたことを思い出しつつ語る嶋崎さん、須崎の人の印象についても聞いてみました。
 「元々、祖父母が須崎の人なので、須崎のイメージや移住してのギャップはあまりなかったんですが、敢えて言うならラテン的なところは関西人と近いけれど、関西を基準にしたら高知県の人はシャイですね。でも2回目に会うと、人情味に溢れていてとても良くしてくれます。お酒を飲むと親睦の時間がもっと早くなります。(笑)
あと、女性が仕事も家庭も両立していて、すごいなぁと思います。高知県の女性を“はちきん”と言いますが、働き者が多いですよねぇ。」
 須崎の人、高知県民の人柄に固定概念なくフラットに入ることができたのは、嶋崎さんの持前のフランクなしゃべりもあったからかもしれません。そんな嶋崎さんが始めた“ぬた”の製造から葉にんにくの栽培といった、ある意味“逆6次産業”。これから6次産業をしてみたいという人へのアドバイスを聞きました。
 「“案ずるより、産むが易し”ですね。でも最初は不安も大きいと思いますので、色んな人と仲良くなって、情報を集める事が大事です。農業をするにも加工をするにも、補助金や技術などの情報を得るために行政や研究施設、商工会などあらゆるところを回ります。情報をいかに効率よく集めることや、人と出会いネットワークを構築し、その人との接点を大切にし、有機的につながっておくことが大事なのではないかなと思います。」

農業も6次産業も関係なく、人とつながること。地域の人には声をかけ、交流を持つことが大事と教えてくれました。そうすれば、向こうから情報を持ってきてくれたりと、地域から声がかかり始めたと言います。
そして、最後にこれから移住してくる人へのアドバイスを聞きました。

 「物欲が強い人はダメでしょうね。(笑)地域のお年寄りと関わったり、絆を欲している人が向いているかもしれません。エルメスが欲しいとか年収1,000万円が欲しい人には向かない。額面ではない豊かな生活をしたい人には須崎は良いところです。人は、食や睡眠が大事ですよね。日の出とともに働き、日の入りとともに眠る。食が豊かで安いですから、贅沢な暮らしはしなくていいと割り切ること。そんな暮らしをしたい人には最適です。」。







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