東京生まれの明さんと、埼玉生まれのゆみこさんご夫妻が、須崎市に移り住まれてからもうすぐ20年。

 

「アポなしで突然やって来るのが高知の県民性だよね~。」これが明さんの最初の一言。実は今回、取材のために明さんの工房「うつわ日月」さんを訪問した時もアポなしの突撃でした。
 

「ここにきて随分たつけど、須崎の人のお宅を訪問した時に一度もお茶が出たことがないんだよ。これが不思議でね。みんな気さくで思ったことをすぐ口にする裏表のない性格なのに、家にはあげてくれない。」と須崎の不思議を語ってくれました。

 

明さんは、東京にある武蔵野美術大学で21年間、陶芸の講師をされていたそうです。「僕より教え子たちがみんな有名になっちゃって…。」と謙遜されますが、ご自身も中国の北京や日本全国で個展をされており、明さんの作品のファンも日本だけでなく世界に沢山いらっしゃいます。

 

明さんが40歳になった頃から「いつか海の見える場所で暮らしたい」と考え、10年ほど様々な場所を巡られたそうです。最終的に須崎市に居を構えられた理由をゆみこさんに尋ねると、「海はたくさんあるけど、リゾート開発されているところがほとんど。でもここには生活感のある海があったの。」と教えてくださいました。
 
「生活感のある海」初めて聞いたこの言葉。なんて素敵な表現!と感動してしまいました。

 

「須崎の人には、もっと知的好奇心を持ってほしい。」陶芸には、知識・知恵・想像力・体力等すべてのものが必要と教えてくれた明さんから、須崎の未来のために、最後にこんなメッセージをいただきました。
 
(取材:2017年2月)